◎手指の力加減を「見える化」
私たちは毎日,手指を使ってさまざまな動作を行っています。物を持つ,つかむといった動作はもちろん,箸で食事をしたり,ボールペンで文字を書いたり,スマートフォンを操作したりと,日常生活のあらゆる場面で手指は活躍しています。
物を持つとき,私たちはその重さや形,大きさ,表面の滑りやすさなどに合わせて,把握する力(把握力)を無意識のうちに調整しています。例えば,空の紙コップは潰さないようにやさしく持ちます。一方,紙コップにジュースを注ぐと,重くなった紙コップを落とさないよう,自然に力を強めます。このような「物に合わせて力加減を調整する能力」を,iWakkaは見える化します。
◎数値で評価
iWakka(アイワッカ)は,把握力調整能力を客観的に評価するシステムです。
お豆腐ほどのやわらかさのセンサを採用し,最大500 gまでの把握力を高精度に計測します。課題の実施中は,把握力の変化をリアルタイムに記録・分析し,力加減の調整能力を分かりやすく数値化します。これまで感覚的にしか評価できなかった把握力調整能力を,客観的な指標で評価できます。
◎楽しみながらトレーニング
iWakkaは,評価だけでなく,把握力調整能力の回復・向上を目的としたトレーニング機能も備えています。
ゲーム感覚で取り組める課題を通して,楽しみながら無理なくトレーニングを継続できます。使用者の能力に応じた課題設定により,リハビリテーションや機能訓練を効果的に支援します。
◎医療現場で活用
iWakkaは,評価だけでなく,把握力調整能力の回復・向上を目的としたトレーニング機能も備えています。
これまで,把握力調整能力を客観的に評価することは容易ではなく,この能力に着目した評価やトレーニングは十分に行われてきませんでした。
現在では,iWakkaは複数の医療機関で活用されており,中枢神経疾患,精神疾患,整形外科疾患,発達障害など,さまざまな疾患を対象とした評価やリハビリテーションに利用されています。多くの症例で,iWakkaを用いた介入の有効性が報告されています(2021年時点)。
◎開発
iWakkaは,国立大学法人名古屋工業大学 森田良文研究室が,目白大学作業療法学科 矢崎潔教授の協力のもとで開発しました。
ハードウェアの試作・開発は株式会社アイム(愛知県大府市),ソフトウェアの開発は名古屋工業大学が担当しています(2021年時点)。 |